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エアージェクション栽培効果について

1 目的
 エアージェクッション栽培法とは従来の養液土耕栽培とは異なり、 点滴チューブを土壌中に埋め込み、そこに流す液肥(場合によっては水)に 空気を混入し、土壌中に液肥と同時に空気を供給する方法である。 この栽培方法については半促成トマト栽培において効果を検討する。

2 試験方法
 温室半面を養液土耕栽培、もう一方の半面をエアージェクション栽培法として比較する。

(1)試験場所  農業センター内:ガラス温室(100平方メートル)
 土壌条件:火山灰土壌
(2)試験期間  2003年11月〜2004年6月
(3)供試品種  ハウス桃太郎(タキイ種苗)
(4)試験区  1 養液土耕区(60平方メートル)
 2 エアージェクション区(50平方メートル)
(5)栽培概要  播種:2003年11月25日  定植:2004年1月23日
 裁植様式:一条植え 畝間150cm・株間35cm (1904株/10a)
 (10a当り) N:11.0Kg P:26.5Kg K:34.0Kg
  肥料名 (成分) 全面施肥 溝施肥
基肥 堆肥
苦土重焼リン
(0-35-0) 2000Kg 400Kg
50Kg
追肥 メガ肥料1号 (11-9-34) 100Kg  

注)追肥は1日1回、am9:30前後に生育段階に応じて下記のとおりに行った。
生育段階 倍率 施用量
(リットル/10a/日)
施肥量
(g/10a/日)
1 定植〜第1花房肥大期 1000倍 260 260
2 第1花房肥大期〜主枝摘心 750倍 780 1040
3 主枝摘心〜収穫終了 1000倍 1040 1040

ホルモン処理 トマトトーン100倍+ジベレリン10ppm
土壌消毒 土壌還元消毒法
整枝法 連続2段摘心栽培
摘心 第10花房の上2葉を残して摘心した。


3 試験結果
 エアージェクション区は生育期間を通して草勢が安定していました。 これに対し養液土耕区は生育初期の成育が旺盛になりすぎ、やや過繁茂となりました。 また、収穫終了後の根部重量が、エアージェクション区は養液土耕区に対し やや重い結果でありました(第1表・写真1)。また、根の発育状況をみると エアージェクション区は養液土耕区に対し、耕土20cm以下で細根が多く発生していました。

第1表 生育調査結果
    第1基本枝 第2基本枝 第3基本枝 第4基本枝 第5基本枝 地上部重(g) 根重(g)
養液
土耕区
節間長(cm) 8.3 10.1 10.9 9.5 8.0 1632.5 55.7
茎径(cm) 1.1 1.3 1.1 0.9 0.8
エアージェ
クション区
節間長(cm) 7.3 9.3 10.1 9.5 8.2 1616.7 69.7
茎径(cm) 1.0 1.3 1.2 0.9 0.8
注) 各基本枝は2004年6月16日に、地上部重は6月28日調査した。
茎径は各基本枝の上段の花房直下を計測した。
根重は6月28日に調査した。

写真1 根部比較
左側がエアージェクション使用

(2)収量及び果実品質
 総収量・上物収量共にエアージェクション区が養液土耕区をやや上回り、 特に上物収量は約2割程多い結果でした。上物率・上物平均1果重も養液土耕区に対して やや優っていました。空洞果・変形果・クズ果の発生はエアージェクション区が養液土耕区に 比較してやや少ない結果でした。裂果はエアージェクション区が多い結果でした。(第2表)。
 果実の品質は、硬度・糖度は差が見られませんでした。また、酸度の目安として果汁のECを測定しましたが、 顕著な差は見られませんでした(第3表)。


第2表 収量調査結果
   総収量 上物収量 上物率  上物1果重
個数 重量 個数 重量
養液土耕区 43.9個 4474.2g 27.5個 2964.2g 66.3% 107.8g
エアージェクション区 42.4個 4726.7g 30.1個 3462.5g 73.3% 115.1g

  下物割合
空洞 変形 窓あき 裂果 クズ その他
養液土耕区 7.5% 4.9% 2.3% 4.6% 14.3% 0.1%
エアージェクション区 5.1% 3.4% 2.2% 10.1% 5.9% 0.0%
注)収量調査は4月2日から6月25日まで行った。

第3表 果実品質調査結果
  硬度
(Kg/平方cm)
糖度
(Brix)
EC
(ms)
養液土耕区 1.12 7.1 6.2
エアージェクション区 1.15 7.1 5.9
注)品質調査は5月6日及び5月21日に5果づつ計10果を調査した。



4 考察
 今回の栽培の結果、エアージェクション栽培は養液土耕栽培に対して、 生育期間を通して草勢が安定し、収量・上物率も増加しました。 これは、土壌中に液肥と同時に空気が供給されることにより、 根部の生育が促進され細根が多く発生したためではないかと思われました。 今後は他作物での効果や、慣行栽培と比較検討する予定であります。


※資料提供:船橋市農業センター


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